とうとう100滴目滴下です。何か起こりそうでしょ?さぁ、あと1滴滴下するとどうなるでしょう?
1滴滴下しました。…すると…
水溶液中の による がすべて中和されてしまいました。つまり水溶液中には酸による も塩基による もないため、水の電離のみによる と だけが存在している状態となります。中性状態ですね。
ここで大事なお話ですが物質量とは個数でしたよね。定義は大丈夫でしょうか?、中和するためには酸の電離によって生じた の物質量と同じだけの を加えてやればよいのです。
滴下する のモル濃度や、元の塩酸のモル濃度などはどうでもいいのです。中和に関してはモル濃度ではなく、物質量が関係しているということを覚えておいてくださいとても大事な考えですよ!化学の計算においては、常に物質量が問題になります。つまり個数の関係が一番大事ということです。。
ところで、まだpHを求めてないことを覚えてますよね?今の1滴でpHがどれだけ変化したのでしょう?簡単ですね。99滴目がpH=3.3でしたから、変化したpHの量冪Hは
冪H | (16) |
となります。答えは3.6ですね。最初は1滴で0.1程度しかpHが変化しなかったものが、なんと1滴で3.6も変化してしまったわけです。 で表されるということはこういうことなのです。
99滴目で塩酸の方に残っていた の物質量 は mol10-5molは物質量です。モル濃度と勘違いしないでくださいね。であり、それはちょうど滴下される1滴の中に含まれる の物質量 molと等しかったのです。
だから、残念なことに酸の電離による は、pHを1つ増やすような濃度がとなる濃度になることは出来ず、一気に0molにされてしまったのです。残ったのは水の電離による だけになったわけです。
では次の1滴でpHはどのように変化するのでしょう?
Copyright (C) F_Master All rights reserved. 更新 Monday, 21.05.2012 10:49 pmホーム > 化学のトップページ > 目次 > 酸・塩基 > 滴定曲線 > NaOHを100滴滴下