さらに9滴滴下してみました。
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表5を見て下さい。今度はたった9滴しか滴下していないのにpHが3を超えています。つまりまたpHが1上がってしまっているのです。何故でしょう?それはpHの項pHのページへ飛びますか?でも説明しましたね。 の性質によるのです。つまり元の値よりも のモル濃度(水溶液1 あたりの溶質の物質量を表す値)が になれば値が1上がるため、結果として のモル濃度が小さくなればなるほど の1滴でpHが上がりやすいということになります。
何故「程度」という説明にしているのかというと、実際物質量は1/100減少するのですが、モル濃度は滴下により体積が増えている分だけ、 1/100きっかり減少したりはしないからです。図16を見て下さい。もう少し詳しく説明しておきますと、 1滴に含まれる …つまり の物質量はずっと変わりません。ということは、pHが1のときは、 1滴程度では のモル濃度も 程度しか減少しなかったのに、どんどん滴下していくとそのうち の物質量が元の になったpH=2の頃から、 1滴で 程度も減少するようになってしまい、ついには 1滴で減少する の値が ではすまなくなってしまうわけです。
つまりNaOH 1滴で相殺するH+の物質量(モル数)は最初から最後までずっと同じなのですが、pHはH+のモル濃度がもとのになると1つ値が増えるわけで、次に[H+]がになるまでに必要とするNaOHの滴下量は最初よりどんどん少なくなっていくわけです。
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