関数で表されるグラフを考えるまえに、関数で表すことができないものとは一体何なのかを考えてみたいと思います。
関数の定義は覚えてますか?「1つのxが決まると1つのyが決まるもの」でしたよね?それをブラックボックス風に言うと「1つの入力xを入れると1つだけ出力yが得られるもの」ということになります。
逆に言うと「1つの入力xを入れたとき出力yが1つだけではないもの」は関数とは言えません。 とは表せないわけです。
例を挙げましょう。入力が「たまご」だったとします。ブラックボックスの機能が「ゆでる」ではなく「料理」だった場合、出力は「ゆでたまご」や「目玉焼き」や「スクランブルエッグ」だったりします。つまり「たまご」の入力に対して、出力が1つに絞れませんので、これを関数の形 で表すことはできません。
つまりもう一度説明しますが、「1つの入力xを入れたとき出力yが1つだけではないもの」は関数 とは表せないわけです。
しつこいですが、もう一度だけ確認しておきます。結局 と表せる と の関係は、「1つの入力xに対して、1つだけしか出力yが得られないもの」です。言い方は変えましたが、言っていることはずっと同じです。中途半端に理解せず「完璧にわかった!」と言えるまで、関数の定義から繰り返しここまでを読んでください。
今度は数学のイメージの世界に関連付けましょう。次に示す グラフを見てください。それぞれ実線で表されているグラフは と表せるでしょうか?
簡単に答えを見ずに、まずは関数の定義を考えて と表せるかどうかを考察してください。もちろん根拠も忘れずに!
どうだったでしょうか?ちゃんと判断できましたか?では考えていきましょう。
関数 と表せる意味は「1つの入力xを入れると1つだけ出力yが得られるもの」でしたね。では、このことはグラフ上ではどのように確認すれば良いのでしょうか?図9を見てください。
とりあえず適当に
の値の1つである
に注目してみました。この
に対してグラフの実線はどんな値を示すのか考えてみましょう。
ではグラフ上で
であるのは図10の点線ですよね?これはx=x1
の直線とグラフの交点を調べる作業です。
実線上で となる点が図11のように決まりました。
交点が見つかりました。この点が実線において で決まる値(点)です。ではこの交点の 座標はどのように決まるでしょうか?図12を見てください。
軸へ向かって直線を伸ばせば 座標は求まりますね。
座標が図13のように に決まりました。
ここまでに行ったことがわかりましたか?これは1つの入力 を決めると、1つの出力 が決まるということを確認する作業になります。この図13上の任意の について同様に調べてもすべて1つの しか決まりませんね。ですから、図5のグラフは と表せるグラフ、つまり は の関数であるということが出来るわけです。
図14を見てください。 を適当に と決めてみると、その に対応する実線上の点は2つありますね。ということは当然2つの が と という形で決まってしまうわけです。上下に2分割すると表すことは出来ますが、ここで言っているのは1つの関数で図14のグラフを表すことは出来ないということです。ですから、これは関数の定義から外れますね。ということで、このグラフは で表すことはできません。
図15を見てみましょう。これも図14と同様に1つの に対応する実線上の点が2つ存在しますね。したがって、これも の形で表すことはできません。
図16はどうでしょうか。部分的には良さそうなんですが、図16で示す辺りが1つの に対して、交点が3つも存在しています。したがって、これも関数で表すことは出来ませんね。
どうでしょうか?この辺りまで進むとだんだん関数というイメージが出来てきたでしょうか?これからもっともっと深く理解していきます。今までのところをしっかりと復習しておいてくださいね。
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