皆さんは が何を意味するかを考えたことがあるでしょうか?「関数?」「意味はない」など色々な考えがあると思います。実際 だけだと概念的に関数を表すだけで意味を成さないかもしれませんが、私はこれに意味(イメージ)を与えます。もし、このイメージが皆さんにとって不快でない場合は、是非このイメージを私と共有してください。では、私の のイメージをご覧ください。
「f(x)=g(x)が意味するもの」に戻るまず、これからずっと概念でお話をすると、きっとチンプンカンプンになってしまうでしょうから、とりあえず関数の例を1つ挙げて、それを用いてイメージを作り上げましょう。
平行移動に戻る最初に式(3)が語っていることを理解しましょう。
が の関数であるということの意味は大丈夫ですよね?今まで散々やってきましたから。「1つのxに対して1つのyが対応する」です。説明の仕方を毎回変えているのは、ちゃんとした概念を1つ理解しておけば、あとはその形を多少変えられてもちゃんと同じことだと認識できるからです。またそうなって欲しいからです。次に今回は関数 の具体的な例が挙げられてますので、 は であるということができます。
では、この式(3)で表されるグラフを描いてみましょう。描くためには平方完成しなくてはなりませんね。
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平方完成は出来ますよね?とりあえずここではそこには言及しません。さて、頂点が(1, 0)だと分かりましたので、グラフを描いてみましょう。図17をご覧ください。
のとき頂点、 のとき 、 のとき となるグラフとなります。
さて、準備が整いました。
以上のことをしっかりと頭に置いておいてください。
では、次に以下の式(5)をグラフにしてみましょう。
式(5)は平方完成すると式(6)のようになるのは当然ですね。
ここで 、(pは変数)と表されて、さきほどのf(x) と形は同じであることに注意してください。( はもちろんどんな式でも表します。 でも、 でももちろん表せます。しかし、1つの問題において一度 と言われたら、その問題が終了するまではずっと同じ式を表します。ですから、この話が終わるまではずっと は だということです。別の式を表したい場合は や と表します。)
ですから のグラフは
となります。アレ?偶然 が に変わっただけで、あとは図18は図17とまったく同じですね。では確認しておきましょう。
では次の式(7)はどうでしょう?
式(7)は平方完成されて式(8)のようになります。もちろん式(7)の意味は「yはbの関数である。」ですし、その意味の表すところは「1つのbには1つだけのyが対応する。」ですよね。では、この のグラフを描いてみましょう。図19をご覧ください。
アレレ?今回もたまたま…とかわざと言う必要もありませんね。もうお気づきだと思います。f(x)が f(x)=x2-2x+1 と表されている限り、その変数が から に変わろうが、 に変わろうがグラフの形は全て同じになるということです。もちろん軸は 軸から 軸や 軸には変えましたよ?
まぁこれは私が勝手にイメージしているだけなので、f( )は何も意味しないとおっしゃる方がいらっしゃれば、それはそれで結構です。私は1問題に限りf( )で表される式は1意に限定されるという条件のもとで、このように言っています。では以上のことからわかることがあります。つまり、グラフの形はf( )が決めているということです。
正確には f(変数) なんでしょうが、変数は別に でも でも でもいいことを考えると、初学者に分かってもらうには という○には何を入れても良くて、 はその式の形を決めている器のようなものだと言った方がいいでしょうか。その器がグラフの形を決めているのです。
さきほどの例でもう一度説明しますと、最初に と決められたら、その問題中ずっとその は という形に決められますから、つまり も という形になりますし、 も という形になります。式の形はf( )が決めていますから、 も も も、それぞれ変数軸は違いますが、グラフの形は同じものとなります。
分からなければ、私にメールをください。可能な限り説明を付加したいと思います。この話はここで終了です。「f( ) が示すもの」って何だったんだろうなんてことないですよね?「式の形とグラフの形」です。この話は実は後々「グラフの平行移動」でとても重要になってきます。ですから、中途半端な理解ではなく、しっかりと理解したと言えるように、何度も読み直してください。
ところで、ふと変数がわかってない人がいると困るなぁと思ったので、次の項では変数について説明します。
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