式(1)のように、その命題が真のとき次のようなことが言えます。
実は私はこのことをよく理解していませんでした。だって、高校のとき先生が「難しいからこれはパターンで覚えておけばいいんだ!」なんて言うから、色んな場所で原理理解こそ物事を理解するときの最短距離なんて言っておきながら未だに「パターン認識」という暗記に頼っていたんです。
でも世の中にある定理の中で、作った人もよくわからない(何も考えないで作った)定理なんてあるはずがないんですよね。だったら、上の必要条件や十分条件も意味があって作ったはず…ということで少々原理分析をしてみました。
そうすると、「必要条件」や「十分条件」という単語がイメージによる原理理解を妨げていると感じたのです。そこで、その端的に表された表現である「必要条件」や「十分条件」に少々冗長的ですが少し言葉を付け加えさせてもらいます。では再定義しましょう。
私が再定義するとこのような形になりました。ではご説明いたします。
液体は牛乳である → 液体は白色である |
この命題は「真」です。ですから、この命題が「真」であるという条件のもとで以下のことが言えます。
「液体は白色である」ことは → 「液体は牛乳である」ことのせめて最低必要条件 |
これはどういうことでしょう?本当に液体が牛乳であることを確認するためには、もちろん牛から得られることや、味、香り等のその他の要素も必要なはずです。ですから「液体が白色である」だけだと牛乳だとは限りません。しかし「液体が牛乳である」ためにはせめて最低「液体が白色である」必要があるんです。だって「緑色の液体」だったら瞬間に牛乳じゃないと判断できるでしょ?
だから「液体が白色である」ことは「液体が牛乳である」ことのせめて最低必要条件になるわけです。
さきほども実は軽く触れてはいるのですが、
液体は牛乳である → 液体は白色である |
の命題が「真」である条件下でもう一つ言えることがあります。それが
「液体が牛乳である」ことは、「液体が白色である」ことのそれだけ決まれば十分条件です。 |
だって「液体が牛乳」と決まれば、誰が何と言おうと絶対に「液体は白色」ですよね?だから「液体が白色である」ためには「液体が牛乳である」とさえ決まれば良いわけです。つまり「液体が牛乳である」ことは、「液体が白色である」ことのそれだけ決まれば十分条件だと言えるわけです。
ここまでの話をまとめますと、キーワードは次の二つです。
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このキーワードをしっかりと意識しておいてください。
ところで実は私が理解してなかったのはここなんですね。つまり一つの命題が「真」であるとき、必要条件と十分条件がすでに同時に成立しているとは思っていなかったんです。片方が成立することはあるにせよ、どちらも成立するには、矢印が両矢印成立しないといけないと勘違いしていたわけです。つまり
この式(2)が成立しなきゃならないと思っていたわけです。
完全に原理を理解出来てませんでした。
矢印の方向のみを判断基準としていた私は、結局わけもわからず公式を適用していたのと同じことをしていたんですね…。かなり反省です。
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