もしかしたら皆さんはちゃんと学校の先生が教えてくれて、何も疑問に思ってないのかも知れませんね…。だとしたらコレを書く意味が…。しかし、きっと同じように混乱してしまう人もこれから出てくるでしょう。その人のために続きを書きますか(^^)
皆さんが混乱した原因はきっと次のどれかだと考えられます。
一番最後が原因の場合は、メールかゲストブックに書き込んでください。可能な限り手直しします。
では順に解決していきましょう。学校で必要条件・十分条件を習うと
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な〜んて適当に習ってしまうことが多いので(少なくとも私の場合はそうでした)今回のお話のとき は言えないのにp←qが言えない:つまり「液体が白色ならば、液体は牛乳である」という命題は「偽」ということどうして必要条件があるんだろう?なんて思った方も多いと思います。
しかしよく見たら、実は単純なお話なんです。入試問題を見ると、こう書いてあります。「(液体が牛乳)であることは、(液体が白色)であることの何条件か?」と。
主語が「であることは」との方へ固定されていますね。ですからこの設問で問われていることに答えるためには
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をまず考えて、成立するときは、はであるための何なのか?を考えればよいということになります。
何故上のリストのように、 と の二つを考えなくてはならないのでしょうか?
それは だけだと、が主語になれる条件は1つ(それだけ決まれば十分条件)しかないからです。がのせめて最低必要条件であることを示すためにはまず が「真」であることを示さないとダメですね。
では実例で考えてみましょう。
液体が牛乳であることは、液体が白色であることの何条件か? |
「「液体が白色であること」は「液体が牛乳であること」のせめて最低必要条件ですが、この問いでは問われていません。 液体が牛乳 液体が白色」は「真」ですね。問題には「液体が牛乳であること」は何条件か?とあるので、もちろん(それだけ決まれば)十分条件です!
では次に命題の逆をとって「液体が白色 液体が牛乳」を考えてみましょう。…絶対に「偽」ですね。もしかしたら白ペンキかも知れませんし…。ですから、この命題についての必要条件・十分条件はありません。もちろんこの命題が「真」であったならば、「液体が牛乳である」ことは、「液体が白色である」ことのせめて最低必要条件と言えたでしょう。しかし今回は残念なことに、命題が「偽」であるために、それが言えないのです。
さてお分かりですか?
ですから、式(5)からはであるためのそれだけ決まれば十分条件と言えますが、式(6)は偽なのではであるためのせめて最低必要条件とは言えないのです。
そして一般的に学校で教わる必要条件か十分条件かを見分ける方法では、この式(5)、式(6)を2回書くのが面倒なので
のように1つの式にまとめてしまっているのです。問いでは「は?」という風ににのみ注目して問われているので、常に式(7)の左辺にあるに注目して条件を考えています。
したがって、 が「真」ならば、はであるためのそれだけ決まれば十分条件と言えますし、 が「真」ならばはであるためのせめて最低必要条件と言えるわけです。
私がはまったトラップは式(7)のとき が成立しなければ、必要条件・十分条件の両方は出現しないというものでした。しかし実際の定義で考えると1つの命題が「真」であれば、必ず必要条件と十分条件が同時に出てくるわけです。
わかりにくいのは、より簡単に表されてしまった「必要条件」と「十分条件」という言葉だったわけです。…「必要条件」や「十分条件」のイメージが出来たでしょうか?
問題演習はとりあえず要望があれば載せますが、原理さえ分かれば後はご自身でやってもらえばいいかなぁなんて考えて、とりあえず問題は載せません。頑張ってみてください!
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