F _MASTER'S EYE

力学

力を加えたけど…

あるアルバイトがあります。その仕事内容は「3[N]の力で箱を押すだけ」という簡単な内容でした。



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簡単なアルバイト

図 1: 親方に仕事内容を聞く
親方に仕事内容を聞く

さっそく申し込みました。さて、親方から仕事内容を聞きます。

親方:「あそこにある箱に3[N]の力を加えて、押してきてもらえるかい?」
少年:「押すだけでいいの?」
親方:「そう押すだけだよ。押すと上のランプが点くから、ちゃんと3[N]の力が加わったかはすぐにわかるよ。3[N]以上の力を加えてもランプは当然点くよ。」
少年:「うん!じゃあやってくる!」
少年:タッタッタッタッタッ…

図 2: さっそく出発!
さっそく出発!

少年:「ん〜っ!」
ランプ:「ピコン!
少年:「あっ、点いた!」

図 3: グッと押してランプがピコン!
グッと押してランプがピコン!

少年:タッタッタッタッタッ…

図 4: さっそく帰還!
さっそく帰還!

少年:「終わりました!」
親方:「………」

図 5: 帰還して敬礼!
帰還して敬礼!

親方:「確かに…私は3[N]の力を加えて、ランプを点けてこいとは言ったが…これじゃあバイト代は…」

さて、皆さんはこのお話の問題点はもうお気づきですよね?親方は確かに「箱に3[N]の力を加えて押してきてくれ」と頼んでいましたが、3[N]の力を一体どれだけ加えればいいのかをうっかり説明し忘れていたのでした。このどれだけをどう扱うかが問題なわけです。

たとえばこのどれだけを3[N]の力でどれだけ動かしたかと考えることも出来ますし、また、3[N]の力をどれだけの時間かけ続けたのかと考えることも出来ます。

物体に力を加えたとき
  • その力でどれだけの距離動かしたのか。
  • その力をどれだけの時間加えたのか。
という異なった2つの見方が存在する。

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親方のアイデア

さて、うっかりものの親方はアルバイトの給料を決めるために次の選択肢を考えつきました。

出来高制
1つ目は物体を動かした距離で給料を決める方法。ランプは3[N]以上の力を加えると点灯するから、可能な限り動かせば動かすほどバイト代をはずむよ〜♪

バイト代は3[N]と動かした距離$ x$[m]をかけたもので決定しよう!つまり「力×距離」だね。今回は力はずっと3[N]と決めるけど…。でも、この支払い方法だと、物体が重過ぎて全く動かなかったらたとえランプが点いても距離$ x$は0だから、バイト代は0だけどね。

図 6: 出来高制
出来高制

時給制
もう1つは物体を動かした時間で給料を決める方法だ。ランプは3[N]以上の力を加えると点灯するから、どれだけの時間点灯させてたかでバイト代を出すよ。(このときどれだけ距離を動かしたかは全く関係ないよ。)

バイト代は物体にかけた力3[N]と点灯させた時間$ t$[s]をかけたもので決定しよう!つまり「力×時間」だね。今回は力はずっと3[N]と決めるけど…。でも、この支払い方法だと、物体が重過ぎて全く動かなくても時間$ t$は発生するから、バイト代は0にはならないね。

図 7: 時給制
時給制

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まとめ

図 8: 評価方法
評価方法

つまり「力を加えた」と言ってもそれだけじゃバイト代をいくら出すか?というような評価を下すことが出来なかったわけです。だから図8のように、その力を加えた距離で評価する「出来高制」にするか、加えた時間で評価する「時給制」にするかという評価方法が生まれるわけです。

これと同じような考え方が物理にも登場します。

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Copyright (C) F_Master All rights reserved. 更新 Monday, 21.05.2012 10:20 pm

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