線形グラフでは小さすぎる変化も、 片対数グラフでは一目で理解できるほど大きな変化として表すことができます。 「何故、片対数グラフで表すのか?」を突きつめていってみましょう!
線形&対数軸のページで対数軸のイメージは掴めたでしょうか? もしまだ掴みづらいときはメールや当掲示板に書き込んでくださいね。 では酸・塩基における常用対数の必要性を見てみましょう。まずは線形軸で考えます。図5を御覧下さい。
最初に「1
中の
の個数」軸(横軸)を見て下さい。水素イオン濃度が
[mol/
]から
[mol/
]に変わる変化は濃度が
倍になっています。そのあたりの変化はまだグラフがゆるやかだから簡単に読み取ることができるので大丈夫ですね。
でも次の
倍はどうでしょう?さらにその次の
倍はどうでしょう?どんどん差がわからなくなってきました。
その先なんて、もう全然変化の差がわかりませんよね。
ではその横軸の変化に対応する縦軸(pH軸pHはもともと対数を利用しているので、無理矢理線形軸に当てはめるのもどうかとは思いますが…。)を見てみましょう。
水素イオンが
倍になるとpHの値が一つ上がります。でも図5はどうですか?pHが3あたりから急激に立ち上がってしまって、
そのpH変化と
濃度の関係がよくわかりません。
すみません。本当に詰め込みすぎました。どうせならpHで表せる領域すべてを入れようと思って…。
ちょっと詰め込みすぎましたね。…それにしても対数軸ってすごいでしょ?1の一億分の一は
、そのさらに百万分の一が
です。そんな値まで図6程度の軸で表現できてしまうのです。
線形軸だと図5のようになってしまって、
は全く示せませんね。逆に
のあたりを基準に軸を作ると、1なんてはるか右に存在してしまいます。
この程度の説明で解るでしょうか?もっと詳しくも出来るでしょうけど…。そして注目点はそれだけではなかったですよね。先ほど図5では曲線だった
のグラフが、図6では直線になってしまいました。
このように、とても小さい値の変化までしっかりと大きい値の変化のようにみせる(重み付けする)ことで、
その変化がイメージしやすくなるわけです。しかし、
逆に慣れてないと、これがイメージしにくい原因にもなるのです。
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