このページで今から書く内容はどの参考書にも載っていません。だから、ここでしっかりと身に付けてください。
まず働く力を考えるためには、どの物体に注目するのかを考えなくてはなりません。図10において大玉に注目してみましょう。摩擦力の場合分けへ戻りますか?
ここからがとても大事なお話ですが、注目物体を決めてしまうと、その物体から見える力は受ける力のみだということです。ですから、図10が大玉に見える力ではありません。図11に表されるのが大玉に働く力です。
いいですか?もう一度言いますよ?その注目物体に見える力は「受ける力」のみです。与える力は見えません。与える力は見えないのに見ようとするから痛いことになるのです。先ほどの図10で少年に注目すると少年から見える力は
となります。
もう一つ例を出しておきますか?
図13で少年に見える力はどのような力でしょうか?もちろん
少年に働いている力は「壁からの抗力F[N]」「地面からの垂直抗力N[N]」「地面から平行方向へ摩擦力f[N]」「例外的に接触しなくても働く力である重力mg[N]」です。少年が壁を押していると感じている力は、実は壁から押されている力なのです。少年が押している力は壁しか認識できません。それを図15に示します。
暗くなっているところは壁には何がいるかわかっていません。でも何か力が加わっているのです。それが実際は少年が押す力なのです。
さて、物体に働く力をどのようにして見つければよいのか、理解していただけたでしょうか?
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