F _MASTER'S EYE

関数とは

f(x)=g(x)が意味するもの

だんだん関数というものが見えてきたでしょうか?そうしたら、次の段階に入りたいと思います。次は関数同士を「」で結んだ等式が表す意味です。



本題の前に

ちょっと本題に入る前に、是非押さえておきたいイメージを確認しておきます。次の式を御覧下さい。

$\displaystyle y=x^2+2x+3$ (10)

「式(12)中の$ x^2$$ x$ は1だけど、2$ x$$ x$ は3を代入する」…なんてことは絶対にありませんよね?当たり前のことですが、違う値を意味するのであれば$ x$ の他に別に$ a$$ b$ などの変数を用いなければなりませんね。因数分解へ戻るつまり、「1つの等式中の同じ文字は絶対に同じ値」です。本当に当然のことですが、このページで学ぶ$ f(x)=g(x)$ を理解するためには、絶対に必要な知識です。ちゃんと押さえておいてください。

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2つの関数

ではタイトルにもなっている$ f(x)=g(x)$ が意味しているものとは一体何なんでしょうか?これは実は次の二つの式を考える必要があります。

\begin{displaymath}\begin{cases}
&y=f(x) \\
&y=g(x) \end{cases}\end{displaymath}     (11)

$y=g(x)$ って一体何だ?と思った方もいらっしゃるかも知れませんね。大丈夫ですよ?大したことありません。ただ$y=f(x)$違う式を表すために関数の内容を表す部分の$ f(\ )$$ g(\ )$変更しただけです。以前に$ f(\ )$ はグラフの形(式の形)を表すものだということを「f( )が示すもの」というページで説明致しました。もし忘れていたら読み直してくださいね。つまり$ f(\ )$ が表す式の形と$ g(\ )$ が表す式の形が違うというだけです。

さて、では改めて考え直してみましょう。つまり$y=f(x)$$y=g(x)$ も共に関数なんです。関数の定義は…もうしつこ過ぎますか?ではそれは「関数とは」のページに譲りましょう。ここで適当に$y=f(x)$$y=g(x)$ の式をグラフ化してみます。ここで言う適当は、日常使う適当です。何でもいいんだけど…みたいな感じです。

図 23: 関数 $y=f(x)$$y=g(x)$のグラフ

23をご覧下さい。本当に適当に関数を決めました。今回はずっとこの形で話を進めていきます。

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f(x)=g(x)中のx

さて、もう一度式$ f(x)=g(x)$ を見て下さい。これは式(11)の2式を「」で結んだ等式ですよね?1つの等式ですから、その中で使われるxは当然ながらf(x)の方もg(x)の方も同時に同じ値になります

ではこの$ f(x)=g(x)$ が言っている意味は何なんでしょう?…「あるxを入れたとき、f(x)g(x) も同じ値を出力するもの」です!ちょっとまだイメージがつかめないでしょうか?

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BLACK BOXでイメージ

ではまずBLACK BOXに再度登場してもらいましょう。図24をご覧下さい。

図 24: 新BLACK BOX「連結君バージョン」
\includegraphics[width=.4\textwidth]{blackbox6.eps}

2つのBLACK BOXに登場してもらいました。ではルールを説明します。

下の「余談」へ
  • まず入力はそれぞれ同時に同じものを入力する。
  • それぞれの関数(機能)はfgで表される。
  • それぞれの出力は直接見ることが出来ない
  • その出力同士を連結部で結合している
  • 「もし同じ出力が得られたら、得られなかったら×」を「判定」部に出力する。

なぜこのような面倒な構成にしているかというと…それは後々わかるとは思いますが、$ f(x)=g(x)$式のイメージに合わせているからです。

では図25のように$ f$ に「ゆでる」を、$ g$ に「料理が苦手な人の料理」という機能を与えます。当然どちらも関数ですから「料理が苦手な人の料理」はどんな食材でも1対1対応のとても残念な料理となります(^^)

図 25: 機能を与えます
機能を与える図

さぁ、準備は整いました。早速入力食材「だいこん」を入力してみましょう。図26です。

図 26: 「だいこん」入力
「だいこん」を入力

アレ?出力に「×」が出てますね。ちょっと検証しましょう。「だいこん」を「ゆでる」と…私の発想が貧困なのか料理名が浮かびません…。本当は出力は確認できないんですよ?検証のためにとりあえず出力させましたが…だいこん」を「料理が苦手な人の料理」に入れると「だいこんおろし」になりました。「ゆでる」の方の出力は…「ゆでだいこん」として…出力が互いに違うので出力結果が「×」になったんですね。

では、今度は入力に「たまご」を代入してみます。

図 27: 「たまご」入力
「たまご」入力

今度は出力に「」が出てますね。これは「ゆでる」も「料理が苦手な人の料理」も共に「ゆでたまご」になった結果だと思われます。料理が苦手な人のたまご料理」が「ゆでたまご」とは限らないという意見はこの際却下です。

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グラフ上でイメージ

さて同様のことが$ f(x)=g(x)$ でも行われます。再度図23に登場してもらいましょう。

図 23: 関数 $y=f(x)$$y=g(x)$のグラフ

さっきまでイメージしてきた「連結されたBLACK BOX」は数学におけるグラフ上ではどのようにイメージされるのでしょうか?図28をご覧ください。

図 28: 「だいこん」の入力と同じ入力
\includegraphics[width=.4\textwidth]{gfct11.eps}

$ x=x_1$ のとき、$ f(x_1)$ が示す値はグラフからも分かるように$ y_1$ となります。では$ g(x_1)$ はどうでしょう?…$ y_2$ になってますね。つまり同じ入力$ x=x_1$ に対して出力の$ y_1$$ y_2$違っているのです。だから、このときの$ x_1$$ f(x)=g(x)$等式を満たしません」で連結していますが、出力が異なるので「×」が出るのです。つまり「だいこん」のときと同じです。

では「連結BLACK BOX」の「たまご」に相当するのはグラフ上のどの$ x$ になるのでしょう?

図 29: 「たまご」と同じ入力
\includegraphics[width=.4\textwidth]{gfct12.eps}

29をご覧ください。$ x=x_2$ を代入したとき$ f(x_2)$$ g(x_2)$ も同じ値(出力値)$ y_3$ になってますね。だから$ x_2$$ f(x)=g(x)$ の等式を満たしていますつまり「」で連結されているその両サイドから同じ出力値が得られるので「」になるのです。さらにもう一つありますね。それが図30$ x_3$ です。

図 30: 「たまご」と同じ入力2
\includegraphics[width=.4\textwidth]{gfct13.eps}

したがって、$ f(x)=g(x)$ を満たすのは図29と図30$ x_2$$ x_3$ となります。

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結論「f(x)=g(x)が表す意味」とは

気付いたでしょうか?そう、結局$ f(x)=g(x)$ で求まるものは、「y=f(x)y=g(x)の交点」になるわけです。そして、より正確に言うと$ f(x)=g(x)$ で求まるものはその「y=f(x) とy=g(x) の交点のx座標」なのです。

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余談

もしこの「余談」の話がよく分からない場合は、それはそれで構いませんよ?きっと計算していくうちに分かるようになります。ここの話は経験値大きく物を言うと思います。ではそのときのy座標はどのようにして求めればよいのかと言いますと…、それはもちろん求まった$ x_2$$ x_3$

図 31: いつものBLACK BOX
\includegraphics[width=.3\textwidth]{blackbox3.eps}

いつもと同様に単にBLACK BOXに代入してあげれば良いわけです。それは 連結BLACK BOX」のルールを確認

$\displaystyle y_2=f(x_2)\ or \ g(x_2)$     (12)
$\displaystyle y_3=f(x_3)\ or \ g(x_3)$ 因数分解へ戻る    (13)

とすることと同値です。さきほど「連結BLACK BOX」のルールのときに「出力は直接見ることが出来ない」と説明したのを覚えているでしょうか?

それは$ f(x)=g(x)$ においてその$ x=x_2$ を代入したときの値はあくまでもその「左辺と右辺が同値になること」を意味するのであり、普通は$ f(x)=g(x)$ $ f(x)-g(x)=0$ の形に式変形してその等式の解を求めますよね?

その結果因数分解されて出てくる$ x=x_2$$ x_3$ をその式に代入すると式全体が0となってしまって$y=f(x)$ の値を直接出してはくれないから出力を直接見ることはできないのです。

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Copyright (C) F_Master All rights reserved. 更新 Monday, 21.05.2012 10:39 pm

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