ここまで来ると、この「 に関して対称移動」や次の「 に関して対称移動」なんかももう見当がついていることだと思います。それほど説明も必要ないと思いますので、考え方とその結果だけを示しますね。一番下でちょっとした式変形時のコツをお教えします。これがわかると実はもっと簡単に式が作成できます。
に関して対称移動の場合、対称軸である と似た軸は 軸です。そこで我々が知っているのは平行移動と、 軸、 軸対称移動だけですから、「 に関する対称移動」y=αで対称移動へ飛びますか?のときと同様に、まずは対称軸 をy軸に重ねます。そして 軸に関して対称移動したあとで、また対称軸ごと関数をもとの位置へ平行移動して戻します。これで終了です。作業をまとめると
この と対称軸 をともに 軸の負方向へ だけ平行移動します。
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関数を 軸に関して対称移動してみます。
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最後に対称軸と関数をもとに戻したら終わりです。 軸方向へ だけ平行移動しましょう。
グラフ中にも同様の式を入れていますので、それぞれ確認してみてください。
という具体的な関数を について対称移動したグラフの図と式を考えて、どんな関数にも適用できるという確認をしておきます。
この図82で表されたグラフを図83のように に関して対称移動します。
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出来上がったグラフの式は図83中でも示していますが、以下のような過程を経て
式(80)のように と表されます。この値を に当てはめてみますと
となります。式(81)が の降べきの順に並べた式で、それを平方完成したのが式(82)になります。この式(82)と図83図83を確認を見比べると を正しく に関して対称移動した後のグラフを表していることが分かりますね。
つまり、
x=β に関して対称移動と言われたら、対称軸をy軸にあわせ、そこで関数をy軸に関して対称移動し、対称軸と関数を元の位置に戻したら終了!
ということです。
最後にテクニックなんですが…もう一度一般的な関数 を に関して対称移動する場合の式変形をみてください。
ここで式(83)は絶対になくならない!ということと、その平行移動する方の変数(今回は )にその後「−」が付くということさえ覚えておけば、 は必ず2倍されますから、一般的な関数 を に関して対称移動する場合
と2つの式変形で求めることができます。私の場合は式(87)を一度わざと書いて、何が(今回は )どういう値(今回は )で平行移動するのかを確かめてから一気に変形するようにしています。
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