グラフの対称移動は実はとても簡単な考え方で求まります。しかしそれは当然関数という概念が理解できているという前提のもとでのお話です。ここまで頑張って読んで来た皆さんだったらきっと簡単に理解できるはずですよ!リラックスして読んでください。
ある関数に限定したくないので、図52に示すような適当な関数 を考えます。
このグラフをx軸に対称移動したらどのようになるでしょうか?もちろん
図53の のようになりますね。では、この と はどのような関係になっているのでしょうか?ある について考えてみましょう。
のとき のグラフでは となります。 は と、ちょうどx軸に対して対称なグラフですから、 となりますね。つまり入力 が のときの出力 の値は、 が入れ替わった形で出てきます。
では、この のグラフを 軸に対称移動した を の式を利用して表せないでしょうか?それがこのセクションの狙いです。
もし の というグラフの形を表す部分を に変えてしまうと、 となり、 に何を代入しても当然 と同じ値になってしまいますね。でも欲しい の値は単に の の値を 倍したいだけですから、このように考えればいいわけです。
式(54)が語っている内容は分かりますか?右辺をご覧ください。 ですね。つまり右辺に関しては と同じ値が出るわけです。
では左辺をご覧ください。 になっています。つまり そのままではもちろん となってしまいますが、 とすることにより、もとの の とちょうど が反転した だけが式(54)を満たすわけです。
例を挙げてもう一度同じ説明をしますね。 のとき となるとします。このときもちろんx軸に対称移動したグラフ では となって欲しいのです。だから、 の式を とすると右辺は だから式全体は となりそれを満たすような 、つまり の とちょうど が反転した が得られるというわけです。 わかりにくい場合は違う説明を考えます。ゲストブックに書き込むか直接メールをください。
では、これを恒例となったBLACK BOXで考えてみましょう。
式を今までお世話になった式(55)を利用して考えます。
入力 による関数の出力 は と同じです。その出力は判定装置に左から入力しておきます。そして本出力 を 倍したものを判定装置に右から代入します。その2値が同じになるときだけ判定が○になるので、本出力はちょうど関数の出力値の が反転したものになるというわけです。
折角ですから、式(55)を 軸方向に対して対称移動したグラフとそのときの式を求めてみましょう。
式は元の式が ですから と表される と の関係は
となります。式(56)さえ出来たらあとはグラフを確認しなくてもすぐに式(57)が求まりますね。とても速いですし、何より間違わずに簡単に求まります。この程度だったら良いんですが、もっと難しくなると途端にこの考え方は強力な力を発揮しますよ!
まとめますと
x軸対称と言われたら、元の式のyを-yに変更してやれば終了!
ということです。
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