ふと心配になったつり合いの関係にある力と作用・反作用の関係にある力について説明してみたいと思います。
物体は静止しているときには必ずその静止している方向に対して力がつり合っています。つまり静止方向への合力は0ということです。
では、バネに働く力のつり合いの関係を見てみましょう。
まず図1のように少女にバネを引いてもらいます。バネは伸びが[m]のとき力 [N]をバネの両端から、自然長に戻る方向へ発揮します。しかし当然この [N]の力はバネには見えません。なぜならそれらの力はバネが発しているからですね。見える力は受けている力のみでしたね。
では、このときバネにはどのような力が働いているのでしょうか?
図2における[N]と[N]はつり合いの関係にある力です。文字を変えているのは説明しやすいように考えてのことです。では考えてみましょう。
[N]は少女がバネを引く力になります。[N]は壁がバネを引く力になります。バネは伸びた状態で静止しています。静止しているということは、その静止方向への合力が0になるということで、つまりバネの両端に働いている力[N]と[N]は等しいということになります。このように1物体から見える力で、お互いに相殺し合っている関係にある力のことをつり合いの関係にある力と言います。
では、作用・反作用の関係にある力とはどのような力なのでしょうか?図3をご覧ください。
今バネの右端において、バネと少女の両方に注目したときに見える力を示しています。この[N]と[N]は同時に、同じ1点に働いています。このように同じ点に、同じ大きさで逆方向の力が働いているとき、それらの力を作用・反作用の関係にあると言います。[N]は、[N]が働いた瞬間に、[N]が原因で生じた力です。
これらの力の特徴について考えてみます。
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このようになります。例外的に重力(万有引力…本当は他に電気力や磁気力なども)は同じ点には働かないですが、作用・反作用の関係の力となります。(これに関してはまた、そのときに説明します。)
つまり、このような関係にある力を作用・反作用の関係にある力と言います。
さて、ここまででつり合いの関係にある力と作用・反作用の関係にある力の違いはイメージできたでしょうか?
ではまとめとしてどのように見分けるかを考えてみたいと思います。
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となります。つまり、1物体に注目したとき、静止させる力がどちらも見えているならそれらの関係は力のつり合いで、1点に働き、さらにその片方の力しか見えないような関係にある力は作用・反作用の力となります。
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